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明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045) (アスキー新書 45) 人気ランキング : 36位
定価 : ¥ 780
販売元 :アスキー
発売日 : 2008-01-10
発送可能時期 : 通常3〜5週間以内に発送
価格 : ¥ 780
広告クリエーターが書いた、広告の将来像を語る、極めて全うかつ良心的な本。一読をお薦めしたい。

大手広告代理店で、広告制作を本職とするクリエーターが書いた、広告コミュニケーションの将来像を語る本。最近、一般に、奇をてらったタイトルを付けて「売れれば勝ち」と感じさせる本が多い中、「明日の広告」というタイトルからみても、著者の真摯な姿勢を感じさせる。いぶし銀のネーミングだ。実は、肝心な本の内容もさらっと読めるわりに、意外に深い。要は、消費者本位かつメディアニュートラルなスタンスで広告を企画、制作すべき、というのが著者の言いたいことである。著者は、一見、若手の広告クリエーターにむけて、スラムダンクなどの様々なわかりやすい事例を用いつつ、語り、諭しているように見える。しかし実は、著者のステルスなコミュニケーションターゲットは、CDクラスの年輩クリエーターと営業にあるのではないか。年輩クリエーターは広告の黄金期を知り、成功体験を持っているため、BTL的なネット・モバイル広告はやりたがらない。軽蔑すらしている。また営業も、売上が大きく、作業が効率化されているマス媒体を売った方が楽だし、仕事の醍醐味を味わえるはず。著者は彼らの意識を改革することなしには、広告制作はおろか広告代理店の未来はないと言っているのだ。広告会社やマスコミの方は、ぜひ一読すべきと感じる。

これはお買い得な本!

広告の本ではありますが、
企画、制作、編集など、
クリエイティブ系のお仕事をしている人には
非常に示唆に富む本だと思います。
著者の経験から得たノウハウをこんなに惜しげもなく
公開しているなんて!

消費者を見つめたマーケティングのヒントが書かれているのですが、
これだって、なかなか思いつけないことだと思います。
でも、この本を読んだら、一瞬にしてわかってしまう。
これを自分自信の経験から学ぼうとしたら、
どんなにたいへんなことか!

著者が実例として上げている、
「スラムダンク1億冊感謝キャンペーン」の話なんか感動的。
こんな仕事ができるなんて、うらやましいです。

クリエイティブの重要性

我々はもはやもてなくなっているという自覚のもと、ラブレターを渡す相手のことを真剣に観察し、本当に相手が喜ぶことを見極めて内容と組み立てと渡し方を吟味してラブレターを書かなければいけない。
・・・という第1章から第4章までの展開はわかりやすく説得力がある。
特にわかりやすく書いているところが特筆すべきだと思う。文才があるのだろうし、本来は難しいことをわかりやすく伝えるのって地頭がいいのだろう。(地頭がいいっていう陳腐な言い回ししかできない私とは大違いである)
第5章のスラムダンクのキャンペーンの事例紹介は感動的。ステークホルダー皆が幸せになるWin-Winの理想的な姿を見せてもらった気がする。
最後の第7章はとにかく消費者のために、というしめくくり。お客様志向の重要性が言われて久しいが、広告だって結局はそこに行き着くということか。
で、やっかいなのが第6章のクリエイティブの重要性。この本の論旨の流れからは明らかに浮いているというか、違う文脈が流れ込んでいるような印象を持った。
でも、読み終えた後にふと気が付く。
お客様志向っていう姿勢だけじゃだめにきまってるじゃん。ラブレターの内容が斬新で読み手の心を動かすものでないと駄目なのは昔も今も同じ。
広告に限らない。
お客様のためを思っているだけじゃ意味がない。
提案する内容、提供する製品・サービスがすぐれていないと駄目なんだ。
という、あたりまえのお話ですが、佐藤さんは親切にもそのことも忘れないように釘を刺してくれているんですね。
少なくとも私はそのように考えました。

キャンペーンに参加した人も読んでみて!

仕事で広告に関わる人はもちろん、そうでなくても
いろいろな形でこれからの消費に関わる人、
そして、本書で事例として紹介されている
「スラムダンク一億冊キャンペーン」に実際に参加した方が
もしここを見ていたら、是非是非、読んでみて下さい。
当時、企画の初動の段階でいかに心を砕いていたか、
キャンペーン対象者(=読者)にどうやって、言葉ではない「ありがとう」
を伝えるか、とことん考えに考え抜いた結果のあの形なのだと分かりました。
(当時が思い出されて、感謝で涙が出ました;;)
「とことん消費者本位に考える」ということが
どういうことなのか、きっと肌で実感できると思います。

広告クリエーター必読!!勇気をもらえます

自分自身がコミュニケーション・デザインの実現に向けて活動していることもあり、
これからの一年後、三年後、五年後に何を考えていくべきかを
改めて考えるきっかけになりました。

ネットバブルが弾けたものの、Webは社会生活の重要な位置を占めています。
ほんの少し前までは「Webを中心に展開」という提案内容が受け入れられてきました。
現在の潮流かつ、効果も測りやすいというメリットが大きかったからです。
個人的にはWeb礼賛(とまではいかなくても、Webを玉手箱のような扱いをしていた)の
傾向に違和感がありました。
Webの仕事が僕の仕事を大半を占める中で、
方法と目的が入れ違った気がしてきたのです。

ここで誰にでもなく宣言しておきたいのですが、僕はWebディレクターではありません。
Webディレクションが得意なプランナーであり、ディレクターであると思っています。
専門性に特化したような○○ディレクターや××プランナーという呼び名に抵抗があり、
ずっと、自分の方向性ややっている仕事に適した職種名を探しています。
コミュニケーション・デザイナーという職種が認められるとするならば、
僕が目指すべきところはまさにそれなのです。
そしてその道を作ってくれているのが佐藤尚之さんなのです。

本書の中で提言されている「ネオお茶の間」というシーンはまさに言い得て妙です。
マス広告は一時期ほどの力ではないにせよ、まだまだ強大なのです。
Webの発展はテレビも新聞も失くしません。むしろ、よりよい形で共存されていくでしょう。

媒体だけでなく、生活の中にあるコンタクトポイントを創造し、
うるさい広告ではなく、楽しくためになる広告を制作していくこと。
コミュニケーション・デザイナーを目指す僕の当面の課題であります。

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